パトリツィア・ホテル
「『Story Maker』の時もだったけど……今日も。はっきりと分かった。俺には咲が必要なんだ。彼女として……だけじゃなく、パトリツィアを継承していくパートナーとして」

「勇人……」


それは……子供の時の呼称じゃないお互いの名前は、私達の口からあまりに自然に出た。

パトリツィアを継承してゆくパートナー……その言葉の意味。

それは、これからもずっと二人でパトリツィアを創っていく……そんな、プロポーズにも近いものだということは分かっている。

だけど、私はそんな言葉への喜びよりも、目の前の彼の温もりが愛しくて……

まるでその温もりに溶け込むように、彼をギュッと抱き締めた。


「咲……」

「勇人……好きよ。私もあなたが必要……」



爽やかな夏の匂いを感じながら、私達はまた、お互いに目を閉じて唇を重ねた。

夏はまだ始まったばかり……だけれども。


この夏はきっと、今まで経験したことのない最高の夏になる。

そんな予感が、私の胸の中で心臓をドキドキと、絶え間なく高鳴らせたのだった。
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