パトリツィア・ホテル
「うわっ、咲ちゃん。すごい熱だ。ヤバい……すぐに、病院行かないと」


「え、いや……これは多分、大丈夫。絶対、病気とかじゃないし……いや、病気みたいなものかも知れないけど……」


「ダメだよ、咲ちゃん。すぐそこに、かかりつけの病院あるし。今すぐ行こう」


「いや、本当に大丈夫なんだけど……」


すごい勢いで私のことを心配する勇人に引っ張られ、病院へ行くことになった。





「……どこも悪いところはありませんね。それどころか、健康そのものです」


「そんなはずはないです。だって、あんなにすごい熱だったし」


「いや、勇人。本当に、どこも悪くないんだって」


こんなに心配してくれて……嬉しいけれど、恥ずかしすぎる。

また顔を火照らせて必死になる私を見て、その女医さんはクスッと笑った。



「そっか、そういうことね」


「えっ?」


「彼女さんに病気があるとしたら、お坊ちゃんのことが好きで好きでたまら……」


「あ〜〜〜!」


頼む、先生……それ以上言わないで!

こっぱずかすぎる……

なんて思ったら、大声で叫んでしまって。

これじゃあ、私……完全に変質者だ。


顔がまた、カァッと熱くなってきて……私の体はきっと、さっきよりもさらに高熱を放っている。
< 148 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop