パトリツィア・ホテル
「何?勇人……」


こいつがこんな悪戯っぽい笑顔をしてる時って、何か嫌な予感する……次の瞬間!


「やったね!これで晴れて、この水着も咲ちゃんのものだな」


そう言って、買い物の中からあの白いビキニを引っ張り出した。


「…………!」


絶句する私の前で、社長が興味深そうにその水着を見た。


「ほう、咲さん。旅行では、この水着を着るのかな?」

「いや、ち……違う!」

「あれ、違うの?」

「いや、ち……違わないけど!やだもぅ、そんなの、引っ張り出してこないでよぅ!」

「そうか、着てくれるのか。それは、勇人の撮ってくる旅行の写真が楽しみだな。はっはっは……」

「いや、楽しみになんてしないで下さい!私、全然、いい身体してないんで……って、何言わすのっ!」


豪快に笑いながら、真っ赤になっている私をからかってくる。

そんな、ちょっぴりエッチなところも勇人と社長はそっくりで……

この似た者親子に振り回されるところから、高校生活最初の夏休みバカンスはスタートしたのだった。
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