パトリツィア・ホテル
「えっ、でもラウンジを使える航空券だけど、本当にいい?」

「えぇっ、そんな航空券だったの!?だから、あんなに高かったのか……」


私は改めて、高級感溢れる部屋を見た。

気持ち良さそうなフカフカのソファーに、個室もあり、ドリンクとかのサービスも充実していて、本当に快適そうだ。

だけど……


「やっぱり、私……飛行機が見渡せる、この待合室の方がいいなぁ」


そう。私は初めての飛行機にワクワクとしていて、搭乗までの時間、ずっとその発着を眺めていたかったのだ。

すると、勇人はにっこりと白い歯を見せた。


「そっか。じゃあ俺も、咲ちゃんと一緒に飛行機見渡しとく」

「ホントに?勇人はフカフカのソファーがいいんじゃないの?」

「いいや、俺は咲ちゃんと一緒が一番いいの!」


まるで駄々っ子のようにそんなことを言う彼には、初対面の完璧なイケメンのイメージは欠片もなくて……まるで、泣き虫ゆうちゃんで。

でも、私はそんな彼も大好きで……

胸に溢れる幸せな想いとともに、私はクスッと笑った。


「はい、はい、ゆうちゃん。じゃ、一緒に見よっか」

「やったぁ!よく考えたら、俺……こんなにまじまじと飛行機見たことなかったかも。めっちゃカッコいい!」


私の隣の席に座った彼は、目をキラキラと輝かせて飛行機の発着を眺め始めた。
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