パトリツィア・ホテル
小学生くらいだろうか。

その子は感激のあまり目に涙まで浮かべて……彼女の後から来たお母さんも、優しく微笑みながら私達に挨拶をしてくれた。


「はじめまして。まさか、こんな所で咲さんにお会いできるなんて。この娘、玲(れい)はパトリツィア・ランドのStory Makerが大好きで、もらった物語を一番の宝物にしてるんですよ。ね、玲ちゃん」

「うん!咲ちゃん、私の憧れだもん」

「まぁ……」


玲ちゃんのそんな言葉に、私は感激した。

まさか、私の知らないところで、私なんかに憧れてくれている……こんなに純粋な子供がいるなんて、知らなかったんだ。

私はちょっと屈んで、玲ちゃんと目を合わせた。


「ありがとう、玲ちゃん。でも、私はそんなにすごいことなんてなくて……本当にただ、パトリツィア・ランドが好きなだけの普通の女の子なの。だからね、これからもずっと、パトリツィア・ランドを好きでいてね」


にっこり笑うと、玲ちゃんもその澄んだ瞳をキラキラと輝かせた。


「うん!だって、私、咲ちゃんみたいになりたいんだもの!シンデレラみたいで、素敵だもん!」

「シンデレラ?」

「そう。カッコいい王子さまがいて、可愛くって……でも、すごく優しくって。学校のみんなも、憧れてるよ」

「そ……そうなんだ。ありがとう!」


私の顔は少し火照った。
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