パトリツィア・ホテル



「おはよう、咲」

「お……おはよう」

目を覚ました私は、至近距離にある勇人の顔に一瞬、たじろいだ。

白い歯を見せる勇人はとってもカッコ良くって爽やかで……私の中で途端に、昨晩の記憶がよみがえった。

そう……私は体全体で愛しい彼を感じて、お互いに激しく深く愛し合って。

彼の全てを私の中に受け入れた。

昨日……このベッドの上でのことをありありと思い出すにつれて、顔はどんどんと熱くなっていく。



「キャアァ!」

いたたまれなくなった私は、フカフカの枕に顔を押し付けた。

「咲……どうした?」

私の突拍子もない振る舞いに、勇人は戸惑った声を出す。

「だって、恥ずかしい……恥ずかしいんだもん!」

昨晩のことを思い出すと、彼の顔がまともに見られない。

行為の最中は私、どうかしてた。あんなに喘いで、彼に愛の言葉をささやいて。

我に返ってみると、あんなに恥ずかしいことはないじゃない!

「くぅ〜」と言いながら枕にギュッと顔を押し付けて悶える私を見て、勇人は思わず吹き出した。

「良かった。いつも通りの咲だ」

「えっ……」

安心した……声のトーンからそれが伝わってくる彼に、私はゆっくりと顔を上げた。

そんな私に彼はにっこりと優しく微笑んだ。
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