パトリツィア・ホテル
(なんて……女なの)

彼女のその、禍々しく歪んだ笑顔を睨んだ。

私の目はじんわりと涙で滲み、彼女の表情はぼやけて見えた。

この人……神澤さんは、本当にそんな幼稚な感情に任せてパトリツィアを危機に追い込んだんだ。

沢山の子供達の夢と希望の詰まった、あのパトリツィアを。

許せない……私の胸に、激しい怒りの炎が灯った。




「まぁ……あなたにも頭を冷やす時間が必要でしょうから、三日間あげますわ。お家に帰って、じっくりお考えなさい」

精一杯の憎悪を込めて睨む私を嘲るかのように、彼女は右手で口を押さえて笑い出した。

「このまま、むざむざとパトリツィアを倒産させてしまうか、それとも……身の丈に合ったお相手をお選びになって、パトリツィアも、あなたのおっしゃる子供達の夢や希望を守るか。まぁ、どうお考えになっても答えは一つでしょうけど」

神澤さんは忌々しい高笑いを上げながら立ち去ろうとした。



しかし……

「待ちなさいよ」

私は彼女の腕を掴んだ。

「そんなことをしても……勇人は決してあなたを選んだりしないわ」

「あら、そうかしら?」

激しい怒りに駆られる私に、彼女は勝ち誇ったような笑みを向けた。
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