パトリツィア・ホテル
伝えたかったこと。勇人のお母さんに知って欲しかったこと全てを、私は伝えた。
(お願い、亜紀さん。もうこれ以上、自分を……勇人を傷つけないで)
私は彼女と見つめ合う。
暫く……永遠かと思えるような無言の沈黙が続いた。
そして……
「ふふっ……」
私を見つめる彼女の頬は微かに緩んだ。
「あなたには負けたわ。咲さん」
「えっ……」
「そうね。許してもらえるか、どうか……それは、会ってみないと分からない。でも、私もずっと臆病なままでもいられない」
「それじゃあ……」
彼女はにっこりと微笑み、頷いた。
「勇人にもう一度会ってみる……その決心がついたわ」
信じられない……ことだけれど。
亜紀さんが彼にもう一度、会ってくれる。
そのことは私の胸を熱くして。この目には、今度は歓喜の涙が込み上げた。
そんな私を見て、彼女はさらに美しい微笑みを浮かべた。
「本当に……面白い娘ね。言ってることは誰にでも言えるようなことなのに。あなたが言うと、何て言うか……人を動かす不思議な力を持つんだもの」
「ありがとうございます、亜紀さん。本当に……」
堪えられない涙を流す私の手を、亜紀さんの温かい手がそっと包んで。
勇人に会ってくれることを約束してくれて……
それだけでなく、パトリツィアの抱えている危機をどう乗り越えるか。私に彼女の考えを教えてくれたのだった。
*
(お願い、亜紀さん。もうこれ以上、自分を……勇人を傷つけないで)
私は彼女と見つめ合う。
暫く……永遠かと思えるような無言の沈黙が続いた。
そして……
「ふふっ……」
私を見つめる彼女の頬は微かに緩んだ。
「あなたには負けたわ。咲さん」
「えっ……」
「そうね。許してもらえるか、どうか……それは、会ってみないと分からない。でも、私もずっと臆病なままでもいられない」
「それじゃあ……」
彼女はにっこりと微笑み、頷いた。
「勇人にもう一度会ってみる……その決心がついたわ」
信じられない……ことだけれど。
亜紀さんが彼にもう一度、会ってくれる。
そのことは私の胸を熱くして。この目には、今度は歓喜の涙が込み上げた。
そんな私を見て、彼女はさらに美しい微笑みを浮かべた。
「本当に……面白い娘ね。言ってることは誰にでも言えるようなことなのに。あなたが言うと、何て言うか……人を動かす不思議な力を持つんだもの」
「ありがとうございます、亜紀さん。本当に……」
堪えられない涙を流す私の手を、亜紀さんの温かい手がそっと包んで。
勇人に会ってくれることを約束してくれて……
それだけでなく、パトリツィアの抱えている危機をどう乗り越えるか。私に彼女の考えを教えてくれたのだった。
*