パトリツィア・ホテル
パトリツィア・ランドにいる子供達はうっとりと私を見ていて……


(お姫様になるって、こんなことなんだ。中身はただの女子高生なんだけど……)


そんなことを思って戸惑う私をみて、新宮くんはクスっと笑った。


「どう、気分は? お姫様」

「う、うん……まるで、夢でも見てるみたい」

「ははっ、夢、か。本当に、そうだよな。まさか俺……また咲ちゃんに会えるなんて」

「私も。またゆうちゃんに会えるなんて……」

「会えるなんて……って、咲は忘れてたんじゃんかよ」


新宮くんは悪戯っぽい笑みを浮かべた。


「い、いや……それは、あなたが変わりすぎだから……」


私は慌てて取り繕った……その時だった。


「ちょっと……馬車、とめて!」


私は叫んだ。

何故って……私の目の端に、グスングスンと大きな瞳に涙を溜めて馬車の上の私達を見てる、幼稚園児くらいの男の子と女の子の姿が映ったからだ。

その二人を見て……

(きっと、迷子だ)

私はそう、直感した。

私はそっと馬車を降りて、その二人のもとへ向かった。

幼くて可愛いその二人は……私が近づくと、さっきまで泣いていたことを忘れたかのように、パァっと顔が明るくなった。
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