パトリツィア・ホテル
「マズいって、何が?」

「だって、ほら。私が新宮くんと仲良くしてることはクラスの……特に女子には良く思われてないし」

「なぁんだ、そんなことか」


彼はニッと白い歯を見せた。


「大丈夫! 俺が守るって言っただろ?」

「えっ……う、うん……」


そんな問題ではない……と思いつつも彼のその言葉が嬉しくて。

私は、つい素直に返事をしてしまった。


「そんなことよりさ、咲ちゃんが昨日言ってたこと。俺なりにアトラクションの案としてまとめてみたんだ」

「えっ、ホント?」

「あぁ、ホント、ホント。企画書にしてきた」

「ウソっ、企画書!?」


企画書……そんな本格的な言葉にも尻込みしてしまったけれど。

昨日の私の、あんな取り留めのない案をたった一日で……。

流石は入試の成績トップの優等生、何て仕事が早いんだ。

私はそんなことを思って、妙に感心してしまった。


「じゃあ、今日の昼休み。いつもの教室で見せるよ。企画書」

「い、いつもの教室……」

「そ! いつも、クラス委員の打ち合わせで使ってるじゃん」

「あ、う……うん」


『いつもの教室』……それがどこかは、聞き返すまでもなく分かったていたけれど。

その響きが妙に照れくさくて……私はまたも、顔が火照ってしまった。
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