パトリツィア・ホテル
「お父さん。この企画書は、形式としては二人で作り上げたということにしているけど……アイディアは全部、咲ちゃんのものなんです」


新宮くんは社長を真っ直ぐに見て言った。


「僕は咲ちゃんと一緒にパトリツィア・ランドに行って……咲ちゃんはすごく純粋で、本当に幼い子供の気持ちが分かるんだなって思いました。だから、きっと……この『Story Maker』は来てくれた子供達に、かけがえのないものをプレゼントしてくれる。そんなアトラクションになるって確信しています」

「新宮くん……」


知らなかった。

彼が、私のこのアイディアをそんな風に思ってくれていただなんて。

私は嬉しくて……でも少し恥ずかしくて、体がみるみる火照ってしまった。



「よし! では、約束通り。春の遠足でのパトリツィア・ランド貸切の手配を進めておこう」

「わぁ、本当ですか!?ありがとうございます!」


パトリツィア・ランドの貸切……それは夢のようなことで。

幸せな気持ちに胸を弾ませる私の瞳はきっと、キラキラと輝いていただろう。

そんな私に、社長はニッと白い歯を見せた。


「遠足は五月だっけ? 急ピッチで進めるから、その頃に『Story Maker』のお披露目もできるかも知れないよ」

「えっ……本当ですか!」
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