カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
あまりに突然のことに腰が抜けそうになったのに、俺の目は肌がむき出しになっている彼女の姿をカメラのシャッターのように隅々まで捉えていく。
「キャー!?」
彼女の叫び声でやっと我に返り、素早く目を背けた。
「な、菜々花さんっ! すまない!」
視界は廊下の先のリビングに移すが、その外で彼女がどうなっているのか気になって顔の側面がビリビリと疼く。
見ていないため今の状況はわからないが、このドタンバタンという振動は、彼女が大慌てで脱衣所へと戻っている最中の音に違いない。
しかし扉が閉まる音の代わりに、なにかが床に当たる「ゴトン」という鈍い音がし、同時に彼女の「痛ぁ!」というさらなる叫び声がした。
俺は反射で「大丈夫か!?」と振り向いてしまい、 まだ扉が全開の脱衣所で頭を押さえながら仰向けにひっくり返り、バスタオルがはだけて丸見えになっている菜々花さんを目の当たりにする。
脱衣所の床は微かに濡れており、踏み込んだ俺も足を取られーー。
「うわっ!」
「きゃっ……!」
滑って転んで倒れた先で、菜々花さんに覆い被さっていた。