カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

シン、と静寂に包まれる。

俺はうつ伏せで床に手をついて体を支えており、その下で菜々花さんが仰向けで呆然としている。
なんだこれは。なにが起きた?

この落ち着いた状態は長くは続かず、俺の下で彼女の体が暴れだす。

「やあああ! すみません! すみません! 見ちゃダメぇ!」

「な、菜々花さん、ちょっと落ち着いて」

彼女はどうにかそばに落ちていたバスタオルを掴み、引き寄せて体を隠す。と言っても、胸や下半身の一部、ごくごく際どい部分しか隠れていない。

とりあえず体が隠れると彼女は叫ぶことをやめて「グスッグスッ」と泣き出した。

「お風呂から上がって……着替えを忘れちゃったから、部屋に取りに行こうと……まさか隼世さんがいるとは思ってなくて……」

取り乱す彼女の上からすぐにどいてあげればいいものの、俺は動けなかった。

真っ赤になって肌を隠しながら泣いている彼女から、とにかく目が離せないのだ。
< 148 / 228 >

この作品をシェア

pagetop