カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
シン、と静寂に包まれる。
俺はうつ伏せで床に手をついて体を支えており、その下で菜々花さんが仰向けで呆然としている。
なんだこれは。なにが起きた?
この落ち着いた状態は長くは続かず、俺の下で彼女の体が暴れだす。
「やあああ! すみません! すみません! 見ちゃダメぇ!」
「な、菜々花さん、ちょっと落ち着いて」
彼女はどうにかそばに落ちていたバスタオルを掴み、引き寄せて体を隠す。と言っても、胸や下半身の一部、ごくごく際どい部分しか隠れていない。
とりあえず体が隠れると彼女は叫ぶことをやめて「グスッグスッ」と泣き出した。
「お風呂から上がって……着替えを忘れちゃったから、部屋に取りに行こうと……まさか隼世さんがいるとは思ってなくて……」
取り乱す彼女の上からすぐにどいてあげればいいものの、俺は動けなかった。
真っ赤になって肌を隠しながら泣いている彼女から、とにかく目が離せないのだ。