カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
自動販売機の陰に立ち、聞き耳を立てる。女性の噂話に興味はないが、星野さんの話なら気になる。
「あら、佐藤さんもそう思う? 私もそう思ってたのよ」
このふたりがそう思うなら、本当に星野さんの様子はおかしいのかもしれない。女性の変化に疎い俺より、彼女たちはその点はるかに鋭いからだ。まずいな、上司として、彼女の異変には真っ先に気づきたかった。
「ここ一週間くらいかしらね。思い詰めた顔で悩んでいるし、お腹を押さえたりするし、顔色も悪いわ。たまにトイレで具合悪そうにしてるし」
星野さん、体調が悪いのか?
「そう! そうなのよ! ……で、これはナイショなんだけど。実はお休み中の前島さんから連絡があってね、先週、総合病院の産婦人科の待ち合い室で、星野さんを見たんですって」
……産婦人科?
背筋がサッと冷たくなる。