カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「ケジメをつけます。私はKAGAを去るべきです」
「ああもう! きみ、あれだな。親父と兄貴と同じ人種だ。なんでそう頑固なんだ」
斗真さんが私のデスクを叩く。ビクンと体が萎縮し、また弱気になってメソメソと涙が流れてくる。
「だって、最初から、身分違いだったんですもの……私が隼世さんの奥さんになれるなんて、少しでも期待したからバチが当たったんです……」
「そんなことはないだろう。いや、僕も最初はそう思ったけど、きみはなんかこう、兄貴が惚れるのもわからなくないというか……同じ匂いがするというか……。ほら、これを見ろ!」
彼はうつむく私の視線の先に、自分のスマホの画面を差し入れる。目を凝らしてピントを合わせてみると、着信履歴と思わしきそこには【加賀隼世】という名前が上下にずらりと並んでいた。
二、三度スクロールしても終わらない。
「きみがマンションを出てから今日まで、兄貴から、きみを返せという電話が来まくっている。どう見たって兄貴は星野さんにベタ惚れだろ」
小刻みにかけられた通話の履歴に、私の目は釘付けになる。