カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「は、はぁ? なにを言っているんだ。それはおかしいだろう。兄貴はきみと結婚したいと喚いていたぞ」
だからそれは、私が彼の子を妊娠したと勘違いしたからだ。
「ああもう、悪かったよ星野さん。もう僕は交際を反対するのはやめる。そしたら元に戻ってくれるか?」
このえぐられるだけの論争に付き合うのは、もう嫌だ。
「……そういう問題じゃありません」
「なにがだ! しかも、秘書を辞めるってなんだ。休暇なんて好きに取らせてやる。きみはわが社に大いに役立っているから、辞めてもらいたくない」
それも無理な相談だ。
斗真さんのそばにいれば、いずれ隼世さんともまた関わることになる。故意ではなくても加賀家の大切な兄弟を引っ掻き回した私には、これ以上この会社にいる資格はないと思うのだ。
いつまでも関わっていたら、隼世さんのこともすっぱり忘れられないし。