カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

腕をぐいぐい引っ張られ、最近は星野さんの喪失感で腑抜けになっている俺の体は容易に真ん中へたどり着いた。

すると、佐藤さんはスマホの画面を俺の目鼻の先に突き付け、「これを見て課長!」と見せてくる。

「佐藤さん、スマホは持ち込み禁止で……」

真っ先に説教をしようとした俺だったが、その言葉はすぐに消える。ピントが合い、そのスマホ画面に現れた写真に思考が止まったのだ。

若い男と高そうなレストランで食事をしている、菜々花さんの姿。そんな写真を見せられ、俺は思わず「えっ……」と情けない声が漏れた。

「昨日、高級ホテルのラウンジで見たんですよ! どうするんです課長!」

「こ、高級、ホテルで……?」

「うかうかしてると、星野さん、この男にとられちゃいますよ!?」

メラメラと黒い炎が、胸の奥で燃え盛る。
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