カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「そうそう、うちらったら、星野さんが病気だなんて知らなかったから、課長の子を妊娠しちゃったんじゃないかと思っててさ」
言ったのは佐藤さんで、その瞬間、隼世さんの肩がビクンと揺れた。
「今考えたらあり得ないわよね。こんなに奥手なふたりが交際前に懐妊だなんて」
……結果的にはそうだったけど、けっこう大波乱があったんだよなぁ。
しみじみとそう感じていると、隼世さんも
同じ顔をしていた。
でも、勘違いがあったから、こうして私に好きだと伝えてくれたんだよね。
「よかったわねぇ、星野さん。赤ちゃんできたら、社員さんはKAGAの商品たしか三割引で買えるのよ」
「えっ」
〝赤ちゃん〟の話は、早すぎるというか、逆にリアルタイムというか。私たちには欠かせないワードなのは間違いないけど。
「や、ま、まだ入籍もしていないのでっ」
左手をブンブン振って否定すると、椅子に置いてあるだけの右手に、隼世さんが内緒で手を重ねてきた。