カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~


◆ ◆ ◆

病気を告げられた日から一週間経っても、ショックは消えず、気を張っていなければ表情が曇る毎日だった。

私は今日も重たい気持ちで、白いブラウスとクリーム色の膝丈スカートに身を包み、勤め先である株式会社KAGA、総務部のオフィスへ出勤する。

ここは私より年上のパートのお姉様方ばかりが勤める、通称『女の園』。

新入社員のときにここへ配属された私は、最初の頃は言葉遣いからお茶の入れ方までそれはまあコテンパンに注意された。
悔し涙を流す日が続いたこともあったが、穏便にと耐えるのが癖になっている私は、仕事で取り返すことばかりを考え必死でやってきた。

今ではそれに慣れ、発言ひとつ行動ひとつに気を遣って古風な考えを装い、お姑さんからみた「いいお嫁さん」のような性格を演じ、どうにか立場を確立した。
仕事ができるようになってからは皆にも認められて、やっと楽しく過ごせるようになってきた。

しかし、気を張りすぎて、毎日疲れ気味なのは否めない。
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