カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
ホテルは建物の隙間に埋まるような小さなビルで、タクシーを降り、課長に肩を貸しながらエントランスへ入る。
若い男性のホテルマンが在中しており「いらっしゃいませ」とカウンターで出迎えられる。
シックなモノクロの内装も掃除が行き届いて綺麗で、ここなら課長にも失礼はないと安堵し、フロントカウンターへ近づいた。
「すみません。一泊したいんですけど、部屋は空いていますか」
尋ねるとホテルマンは「はい」と先に返事をし、タブレットをタップしながら「ダブルベッドのお部屋になりますがよろしいですか?」と聞いてくる。
私は宿泊しないんだけどなと思ったが、ひとり部屋にふたりで入っていくのは怪しいし、なによりシングルベッドでは体の大きな課長は落ちてしまうのではと考え、うなずいた。
「はい。大丈夫です」
三○五号室の鍵を渡され、開けたスペースにある小さなエレベーターへ移動し、息の荒い課長とふたりで乗り込む。