カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「卵巣に腫瘍があると言われていて、今度、ガンかどうか調べる検査を受けます」
「ガンって……」
「手術になったら、七日間は入院することになるみたいで。課長や皆さんにはご迷惑をおかけするかもしれませんが……」
九割は良性だと伝えようかと思ったが、今の自分にとっては気休めにしかならないため口を閉ざした。もし一割に該当していたら。その可能性がある限り、たとえ誰がなんと言おうと安心できない。
勝手だけど、「九割大丈夫なんだろう?」と言われるのは嫌だった。
課長は私の話がわかっただろうか。いきなりこんなことを明かされても困惑するだけなのに、私はなにをしているんだろう。
会社のために話したと見せつつ、自分の不安を半分背負わせるような卑怯な報告の仕方だという自覚もある。
「……か、課長。すみません。突然こんな話」
返事がないのが不安になり、やっぱり勢いで話すべきではなかったと反省して彼の腕から頭を離す。
しかし、謝罪をしようと顔を上げ、目が合った瞬間、課長の切ない表情に心臓が跳ね上がる。