カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
最近は体のことで色々と不安を抱えていたせいか、感傷的になっているらしい。
私が泣いているとわかると「星野さん?」と目を見開いて心配そうに声をかける彼の肩に、ダメだと思いつつ額をつけて身を寄せる。
「ほ、星野、さん」
「……加賀課長。少しだけ、弱音を吐いてもいいですか」
「えっ。は、はい」
キュ、とお腹に手をあてる。
まだなにも詳細な検査をしていない状態で、職場の人に病気について話すべきではないとわかっている。
入院となれば当然課長に相談することになるし、検査を終えて自分の中で結論を出してからでないと混乱させるだけだ。
しかし臆病な私は、このことを自分だけで抱えているのがつらいのだ。
「最近、卵巣の病気が発覚したんです」
「……えっ?」
彼はまだ目の焦点が定まっていないが、病気と聞いて眉を寄せ、よくない報告だと理解している様子が見てとれる。
意識が曖昧な課長へただの独り言としてつぶやくつもりだったが、徐々に酔いが覚めている彼を前に取り返しがつかなくなり、続けた。