カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
無意識に下腹部に手が伸びる。しかしあまり触っては捻れるんじゃないかとさらなる不安が重なり、触れることなく手を止める。
「捻転のリスクと、将来、妊娠をしたときにやっかいな位置に動いてしまう場合もあります。今の状態なら回復の早い腹腔鏡手術ができますので、これを機会に取ってしまった方が……」
「手術、します」
これを抱えたままにはできない。私の決断は早かった。気がかりをそのままにして仕事に集中できる性格ではないとこの数日で痛感している。
先生はうなずき、私に卓上カレンダーを手渡す。
「手術できる時期も曜日も限られているので、一か月前には予約が必要です。急を要するわけではないので、だいたい何月がいいかお勤め先と調整をつけてまたご連絡ください」
「はい」
病院から自宅アパートへ戻り、薄くしていた化粧を落とした。
時刻は午後三時。課長はいつでも連絡をしていいと話していたが、邪魔にならないよう定時が過ぎた頃に電話をしてみよう。
良性だったこと、一緒に喜んでくれるだろうか。あんなに気にかけてくれていたんだもの。