カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

「摘出手術はいつされますか?」

しかしホッとしたのも束の間、先生はするかしないか決断を促していたはずの手術について、すでにする方向で話を進めており私は硬直する。
経過を見るという話だった気がするのだが、日付が開くと伝言ゲームのように微かなズレが生じるものだ。

「良性でも、した方がいいんですか?」

自分では決められず、そう質問を返す。

先生はPC画面に以前撮った白黒写真を映し、腫瘍部分をくるくるとボールペンで指し示す。

「以前お話ししましたが、放置しているとこの腫瘍が捻れる可能性はありますよ。そうなったら激痛で動けなくなり、救急車で運ばれ、緊急手術となります」

「え!?」

このとき私の表情は今日で一番曇った。

なにそれ。それなら今すぐ取り除いてほしい。手術も怖いが、激痛を生み出す爆弾を抱えている方が恐怖だ。
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