カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

勿体つけずに結論を伝えて、安心してもらおう。
スマホの語り口に唇を寄せ、私はささやいた。

「ふふふ。結果なんですが……なんと、良性でした」

『……え。陽性、ですか?』

「はい。良性です」

『……な、なるほど、陽性……』

何度も確認される。反応が薄い気がして拍子抜けしたが、きっとホッとしてくれたのだろうとスマホの向こうの彼を想像して微笑ましくなった。

「はい。でもとりあえず、よかったです。問題はまだいろいろとありますが、とにかくわかってスッキリしました」

私の言葉に彼はまた数秒黙り込んだ後、

『そうですね、よ、よかった、よかったですよね……。も、もちろん、俺もうれしいです。……と、と、とにかく、命があるというのは、それだけで喜ばしいことで……』

とブツブツつぶやく。

私は電話口でクスッと吹き出す。
命だなんて大げさな。課長ったら深刻に考えすぎだ。
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