カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「……はい?」
「責任ももちろん感じていますが、それとは無関係だと思って聞いてください。俺はずっと、あなたが好きでした。星野さんとなら結婚して家庭を築いていける。もちろん、子供も育てていけます」
心臓が鳴るより先に目が潤みだした。
悲しみでもなく、うれし涙でもなく、混乱の涙である。
なぜかいきなり、課長に告白されている。
私となら結婚も子育てもできる、と。
ちょっと度肝を抜かれすぎて、なにも考えられない。
「もう手術を決心されたことも理解していますし、リミットがあるのも、わかっています」
リミット? なにを言っているんだろう。ああ、ダメだ。全然頭に入ってこない。
だってずっと私を好きだった、なんて言うんだもの。
「二週間、俺に時間をくれませんか。短い期間ですが俺と暮らしてみて、共に家庭を築いていけると思ってくれたなら、そのときは俺と結婚してください」
これは、夢……?