カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

これ以上なにを言われても、私はうっとりと頬を熱くするだけだろう。

加賀隼世という人の生真面目で直球な性格を、少し甘く見ていたかもしれない。
もっと奥手で、告白なんてできないのかと思っていた。

思い起こせば、私にガンの可能性があると打ち明けたあの夜から、課長はずっと変だった。
思い詰める様子は私以上で、病院に同行したいという驚きの申し出もされたし。

あれらはすべて、私を失うかもしれない、という恐怖を感じていたからなのだろうか。

そして好きだと自覚し、思い立ったらすぐにプロポーズ。
二週間しか待てないほど、すぐに私と結婚したい、と思っているだなんて……。

胸に灯った喜びの光が、どんどん明るくなっていく。
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