カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
私物を移したり準備があるだろうから、と、課長は私と近藤さんを部屋に残し、一度リビングへと引っ込む。
無表情な近藤さんと少し話しづらく、とりあえず彼女に「ありがとうございます」とお礼を言ってキャリーバッグを受け取る。
「言い付けていただければ、私が片付けますが」
また、そういうことを言う。
私は苦笑いで彼女に「いえいえ」と遠慮した。
そもそも、近藤さんはいきなりやって来た私のことをどう思っているんだろう。
課長は結婚するつもりでも、ご実家の社長たちは納得しているとは限らない。それは実家の家政婦である近藤さんだって同じはず。
〝なんでこんな人が?〟と思っているかもしれない。
実家には理由を秘密で出張してもらっている、と言っていたっけ。それならやっぱり、話していない線が濃厚だ。
まだプロポーズをオーケーしていないから、しかたがないけど。
「私は隼世さんから、星野様のお体のことをすべて聞いております。このことは私しか知りませんのでご安心ください」
思考を読まれ、着替えをクローゼットに移しながらビクッと肩が揺れる。