カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

「……そ、そうでしたか。聞いているんですね」

体のこと、ということは、腫瘍のことを聞いているということか。

「はい。ですから、買い物や掃除、食事の用意はすべて私に任せてください。食べられないものがあるようでしたらお聞きします」

「いえ食べ物は全然……なんでも食べられます」

すべて自分でできるんだけどな、と思いつつ、断るのもなんだか悪い。近藤さんは雇い主である課長から頼まれているとおりに動いてくれているだけなんだし。

そもそも、家事を含めて一緒に生活できるかどうか見極めるためにこの家に来たのに、課長は私になにもさせず不安ではないのだろうか。
それとも、結婚しても家政婦さんを雇うつもり?

あり得る……と思いながら、それは追々、手術が済んで体調が戻ったら話し合えばいいだろうと自己完結した。
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