カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「……星野さん、そんなに見つめられると、照れるのですが」
ハッとして視線を逸らす。
いいや、見つめていたのはお互い様だ、ともう一度目を向けると、彼は真っ赤になって気まずそうに目を泳がせている。
ああ、好き……。
同じような顔で、私もうつむく。
「同居に際して、いくつか提案があります」
彼はいきなり話を変えた。
私も同居のルールを決めることは大切だと思い、いったん照れを消して顔を上げ「はい」としっかり返事をする。
シャワーの順番や食事の時間だろうか。そういうのは、たしかにあらかじめ話し合っておくべきだ。
「呼び方を変えましょう。家では夫婦になったときを想定して、名前で呼び合いませんか」
「えっ」
そういうルール!?
「嫌でなければ、ぜひ俺のことは〝隼世〟と」
提案されて混乱したがすぐに胸が高鳴り、さらに好奇心が止まらなくなる。
いいのかな。ずっと名前で呼んでみたかった。
「……は、隼世、さん」
唇が震える。
ついに、口に出せる日が来るなんて。頭の中では何度呼んだかわからないのに。
恥ずかしくてとても目を合わせられないが、隣で「はい、それでいいです」とつぶやく彼の声はかすかに甘く揺れていた。
うれしい。喜んでくれていると思っていいだろうか。