カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
シャワーを終え、隼世さんと別れて自分の寝室のベッドに横になる。
今日は初日だからかもしれないが、こんなふうに寝室が別では同居していても大切なことが確かめられないじゃないか。
なんとなく息を潜めて隣の部屋の音に耳をすませるが、防音性能が高くてなにも聞こえてこない。
このまま二週間、一度も一緒に眠らずに終えるつもりなら寂しい。
少しこちらから、オーケーのサインを出した方がいいのだろうか。
はしたなく悶々と考え込んでいると、「そういえば」と思い出して体を起こした。
サイドチェストの中に移していたスケジュール帳を開き、先月と今月のカレンダーを見比べる。
やはり、と焦りで顔が歪んだ。
忘れていた。もうすぐ生理が来る。
かなりきっちりとした28日周期、先月から計算すると今月は明日から始まる予定になっている。
一緒に寝るにはコンディションが悪すぎだ。
それに問題はそれだけじゃない。旅行用にすでにパッキングされた衛生用品一式を持ってきたから必要なものは揃っているが、問題は、どこに捨てるか、だ。