政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
 結婚式の日に生涯かけて幸せにすると誓い、俺なりに愛情を注いできたつもりでいた。

 キスもその先も受け入れ、俺と家族になろうとしてくれている。だから勝手に自分と同じ気持ちだと思っていたが、違うのか? 未来は俺のことなど好きではない?

 思いを巡らせていると、竹山は追い打ちをかけるように言う。

「専務、おっしゃっておりましたよね? 両親から受けるはずの愛情を与えられずにきたんだ。どれほどつらい思いをしてきたか。これからはそんな思いをさせたくないと。専務のお気持ちを知らない奥様が聞いていたら、こう思うのでは? 専務は自分を憐れみ、同情心から結婚してくれたのだと」

 憐れみ? 同情心?

「違う! 俺は未来を愛しているから結婚したんだ」

 思わず声を荒らげると、竹山は厳しい表情を緩めた。

「でしたらそれをしっかりと奥様にお伝えください」

「そう、だな」

 一度だけ経験した苦い恋でも、結局の原因は俺にあった。しっかりと自分の気持ちを相手に伝えず、不安にさせた俺が悪い。浮気をされても仕方がなかったんだ。
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