同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「早く仕事決めないとダメじゃん? だから早速明日頑張ってくる」
せっかく優磨くんが誘ってくれたのに申し訳ない。けれど私にとっては大事なのだ。
「そんなに早く決めなくてもいいんじゃない? 辞めたらしばらく休みなよ」
「甘えっぱなしは悪いし」
「俺は甘えてくれてもいいんだけど」
いつの間にか優磨くんが後ろに立っている。その顔はどこか不安そうだ。
「俺が洗うから波瑠はお風呂入ってきな」
「でも……」
「いいから」
また怒った顔を見たくなくて片づけを優磨くんに任せることにした。
「あ、そうだ。お財布返すね」
私はカバンから優磨くんの財布を出した。
「結局カードで買っちゃいました……すみません。これがレシート。あとでカードの明細もちゃんと確認してね」
「大丈夫だよ、そこまで気にしないから」
片づけ終わった優磨くんは私から財布とレシートを受け取った。
「たくさん買ったんだね」
「週末優磨くんの好きそうなものを作ろうかと」
「そっか」
またも優磨くんは微笑む。その顔が見たくて私は食材を選んだ。
「大きい冷蔵庫なのにパンパンになっちゃった」
「どれ?」と優磨くんは冷蔵庫を開けた。
「波瑠、お酒はビールだけしか買ってないの?」
「うん。優磨くんビールも好きでしょ?」
「そうだけど波瑠の分は?」
「え?」
「チューハイとかカクテルとか買わなかったの?」
「ああ、私はいいよ。お酒そんなに飲めないから」
優磨くんはまた不満そうな顔になる。
「買えばいいのに。ジュースとか、お菓子もいいんだよ?」
「でも優磨くんジュース飲まないじゃん」
普段飲むのはミネラルウォーターでお酒はビールとワインが好き。お菓子は食べるかと思って買ったことはあるけれど、勧めないと自分からは好んで食べない。