同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「俺のことだけじゃなくて、波瑠の好きなものを買っていいんだ」
冷蔵庫を閉めると立ち上がった優磨くんは財布を私に押し付ける。
「渡しておくから」
「優磨くんのお金を気軽に使えないよ」
私は財布を押し返した。
「いいんだよ。城藤財閥の金だと思って気にしないで」
「優磨くんのでしょ」
私は首を傾げる。何で城藤財閥が関係するのだろうか。
「実家がお金持ちだとしても、今の生活は優磨くんが働いて稼いでくれたもので、城藤財閥のお金じゃないでしょ?」
優磨くんは目を見開く。
「でもこの部屋は俺のじゃないんだよ。親が買ったものだし」
「そうかもしれないけど、今現在の生活は優磨くん自身が働いたものだよね」
どうして自分の生きている環境を否定するのだろう。
「城藤の金に興味ないの?」
「あるわけないじゃん。私と生活レベルが違いすぎて困るし。優磨くんのお金が目的でここに居るわけじゃないんだから」
もしかして私がお金目当てでここに居ると思っているのだろうか。
「私、そこまで厚かましくないつもりだけど……」
自然と眉間にしわが寄る。優磨くんに勘違いされたくない。
「そうは思ってないよ! 大丈夫! ごめん……」
焦りだす優磨くんに私までも不安になる。確かにこの部屋に住んで優磨くんといると金銭感覚が狂いそうにはなるけれど、どうしたら誤解されないでいられるだろう。
「気を悪くしたなら本当にごめん……周りには俺を利用するやつばっかりだったからさ」
「優磨くんはそういうの嫌でしょ? 今も仕送りしてもらってるわけでもないんだし、自立してる人に寄り掛かれないよ」
「今までそんなこと言ってもらえたことなかったよ……」