リアル彼氏
「そ、そんなことないよ。閉店まで遊んだから!」


慌てて理由を付けたしていく。


はやくやり返したくて、つい慌ててしまった。


でも、もう言ってしまったものは仕方がない。


マリナは半信半疑な様子であたしを見つめているが、強引に会話を進めることにした。


「その時にさ、ハンカチを落としちゃったの」


焦って早口になってしまう。


「そうなんだ?」


マリナは首をかしげ、あくびをかみ殺している。


恋愛の話から遠ざかったから早くも飽きてきたみたいだ。


でも、あたしは自信満々に胸を張った。


話しはまだこれからだ。


「でもね、そのハンカチを拾ってくれた人がいたんだよ」


「へぇ? 優しい人がいたんだね」


「うん! しかも、すっごいイケメン!」


あたしの言葉にマリナの表情が変わった。


目を丸くして身を乗り出してくる。


「イケメン!?」


「そうだよ。同じ県内にこんなにカッコイイ人がいるんだと思って、ビックリしたもん!」


「どんな感じの人だったの?」


「スッと通った鼻筋に、奇麗な目をしてたよ」


「へぇ! それで!?」
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