エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「…俺でいいの?」
何が?と尋ねようとして、気づく。先ほどの話の続きだと。
「君は、俺が丹下の一族になってやっていけると思う?いわゆる『逆玉』でさ、ひがみややっかみの集中砲火を浴びながらやっていけると思う?」
四辻の言葉がトゲのように刺さる。四辻の言う通りだ。
簡単に結婚だなんて提案したことを、ひどく後悔した。
「…そうだよね。よく考えずにあんな事言ってゴメンなさい。
周囲からの好奇の目は、生まれながらにして“丹下”の私には、一生逃れられない。言いたい奴には言わせておくしかない。いくら周囲でガヤガヤ言おうが、私が丹下の娘であることは変わらないから。
でも、四辻さんは違う。私、周囲の目に慣れてしまって鈍くなっていた。本当にごめんなさい。
…四辻さん。私、四辻さんとは、もう会わない。
一緒にいると、つい甘えてしまう。迷惑かけてしまうから」