エチュード〜さよなら、青い鳥〜


涼は自分の夢が、初音のピアノと涼音の存在によって、すぐそばにあったと気づいた。
それを上手く伝えたい。
だが、自分がしたことを思えば、初音がすんなり涼を受け入れてくれると思えない。

初音を説得する為には、どうしたらいいだろう。

これまで、ずっとそばにいて支えてくれたマーシャ・アルジェリーナとクラウゼ教授を説得出来れば、心動かしてくれるかもしれない。
涼はそう思って、視線をマーシャ達へと向けた。


「探していた自分の夢はここにあったと、ようやく気付きました。本当にバカでした。まるで童話の『青い鳥』みたいなもの。こんなに近くにあったんです。
初音なら、最高のピアニストになれる。彼女こそが、私の夢を叶えることが出来る人。
これから私は、初音が最高の音楽を奏でることが出来るように、人生をかけて支えていきたい。
そして願わくば、涼音ちゃんの成長も側で見守らせて欲しい」



流暢な英語で、マーシャとクラウゼ教授の目を真っ直ぐに見ながら、涼は懸命に訴えた。


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