エチュード〜さよなら、青い鳥〜
初音、マーシャ、クラウゼ教授とメロメロにした涼音が、次にターゲットにしたのは涼だった。

「う?」

初音に似た大きな瞳で涼を見た後、なんと呼びかけたらいいかわからず首を傾げる姿も愛らしい。

「パパ、よ。涼音、言える?」

そんな涼音に、初音は涼に聞こえないように小さな声で耳うちをしてやる。
すると。

「パーパ。イッヒ リーベ ディッヒ!」

涼音は得意げにそう叫んだ。
いきなりの『パパ』に、涼は胸を鷲掴みにされたような衝撃を受けた、

「パパって、俺?俺のこと?
なんだこれ…めちゃくちゃ嬉しい。
涼音ちゃん、ありがとう。
俺も涼音ちゃんに負けないように、ドイツ語頑張らなくちゃ。
涼音ちゃん、イッヒ リーベ ディッヒ」



初音は笑いながら、喜びはしゃぐ涼を見た。



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