【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「はい。今日は唐揚げ弁当だよ」

 「ありがとう。助かるよ」

 「うん。気を付けてね」

 「じゃあ、行ってきます」

 「行ってらっしゃい」

 若葉さんは結婚してから体に気を使ってくれるようになって、俺のためにお弁当を毎日作ってくれるようになった。

 そして必ず水筒を持たせてくれる。クリームパンとコーヒー牛乳だけじゃ栄養偏るからと。なんていい妻なんだろうか。

 体のことを考えてご飯を作ってくれるから、ちゃんと健康でいられるし。体力もつくから、刑事としてはありがたい。
 
 そして今日は久しぶりに源さんと事件の張り込み捜査をするため、そういう時にお弁当があるのもまたありがたい。コンビニに行かなくて済むから、ずっと見張ってられる。ありがとう、若葉さん。

 「川畑、どうだ?」
 
 「いえ、まだ全然です」
 
 「……って、何で弁当食ってんだよ」

 「いや、お腹空いちゃって……。すみません」

 「いいよいいよ。食え食え。この後から大変になるからな」

 「はい」
 
< 254 / 257 >

この作品をシェア

pagetop