【完結】モンスター撲滅委員会


「……カイくんには。マキさんが店長さんを刺すことまで。わかっていたんですか」


わたしの問いかけになにも答えないカイくんが、にっこりと微笑む。


これ以上は自分で考えろということか。

それとも知らなくていいと言いたいのか。


「もしかして。カイくんが、そうするように……」

「決めたのは。マキちゃんだよ。僕らの利害は一致した。それだけさ」


マキさんに店長を始末させるよう仕組んだのは

カイくんなの?


「鳥籠の中で育てられ。親に決められた結婚相手と一緒になるしかなかった本田マキにとって――平野は劇薬だったんだねえ」


きっと


"男女間のトラブル"として世間に発表させ

真実を闇に葬り


被害者遺族や被害者本人の


【殺してやりたいほど憎い】


という願いであり、憎しみを


水面下で叶えるまでが


カイくんの予定調和だったんだ。

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