【完結】モンスター撲滅委員会
たいして仲良くなることもできないうちに
1ヶ月後が経過しようとしていた。
「なんだかお疲れだねえ。そよちゃん」
「……忙しすぎません? あの子」
「その様子では、追いかけまわすだけでも一苦労って感じかあ」
つぐみちゃんのスケジュールは
想像以上に、密だった。
「けっこう遠くまで……一人で行ってるんですね」
「なかなかハードでしょ」
付き添わせてもらっていて交通費はカイくんにもらった電子マネーで支払っているが
行動範囲が中学生のわたしよりもずっと広い。
「淡々としてるっていうか。冷めてるよね。凍りついてる。10才の少女といえば好奇心旺盛な年頃じゃん。これから青春が始まるってとき。そよちゃんも、そだったでしょ」
「……え?」
「反応うすっ。そよちゃん、やっぱり……前の学校でトモダチいるって言ったの見栄だった? それはそれは。寂しい暗黒時代を……」
「送っていません!」
やっぱりってなんですか。
かわいそうに……って目で見ないでください。
「実は、わたし。当時の記憶が曖昧で」