はじめての恋。




大学からは徒歩で20分くらいかな。




チャイムを鳴らしたけど、一向に反応がなくて恐る恐る取っ手を引くと空いていた。



え、

鍵してなくて、大丈夫なのかな。





中に入ると、Tシャツとパンツ一丁で呑気に寝ている凌久くん。



もし、

変な人が入ってきたらどうする気なの。




私は嫌がらせで持っていたアイスの袋を凌久くんの顔に落とした。





「冷った!」

『おはよう』

「おはよう、氷買ってきたの?」

『アイス』

「まじ?食べよう」

『よく寝起きで食べられるね』

「あんま寝てないもん」

『凌久くんのあんまり寝てないは信用できない』


と、

言っている横で美味しそうに食べていた。




そんな、幸せそうに食べてくれると買ってきた甲斐があって嬉しい。





でも、そんなニコニコしている場合ではない。
 


朝のことを追求しなくてはいけない。



根に持つわけではないけど、

またやられたら、嫌だから…





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