いつか咲う恋になれ
「正直、時間が経てばこの感情の答えが見つかると思ってたけど、全然解決しないし」

「あの……言える範囲で良いんですけど、その感情は喜怒哀楽で言ったらどれに近い感情ですか?」

もしかしたら微力ながら私も力になれるかもしれない、そう思って聞いてみた。

「喜怒哀楽……全部当てはまるかも。一緒にいれる事が嬉しくて楽しいし、会えない時間に寂しさを感じたり俺以外の男と一緒にいると妬いたりする……そんな感じ」

あれ?その感情って……

「それってもしかして恋愛感情では?」

私がそう言うと、真尋先輩は目を丸くして驚いたような表情をする。

「恋愛感情……これが?」

真尋先輩は難しい顔をして何かを考え始めたのか、しばらく黙っていた。

そして私も下を向いて静かに考え込んでいた。真尋先輩に恋愛感情……それは一体誰に向けたものなの?

沈黙が続いたまま時間だけが過ぎていく。

「まだハッキリと答えは見つからないけど、恋愛感情の可能性もあるって分かって良かった。話を聞いてくれてありがとう」

先輩ってば、まだ自分の恋愛感情を疑ってるし。私は『いえいえ』と言いながら無理して笑顔を作った。

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