一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
『ふんふーん……』

 今日は学校時代の友人の結婚式があって、頼まれていた演奏を披露してきた。
 中学生だった友人達と大人になったお互いに驚きながら、気分はタイムスリップ。

 と。

『ピアノの音……?』

 音を頼りに歩いていくと、ショッピングモール内に設けられたイベントスペースにたどり着く。
 ストリートピアノだった。

『最近、増えたなあ』

 公共の場所に置かれ、誰でも自由に弾けるピアノ。
 ここで弾くのは勇気がいるけど、聴くのは嫌いじゃない。
 ちっちゃい子が弾いてるのは微笑ましいし、演奏につられて大合唱しちゃうのは動画に撮りたいくらいに可愛い。

 ……奏者は、パーカーとダメージジーンズにくたびれたスニーカー。
 ここまではよくみかける、ストリートミュージシャン。
 けれど、首から上に載っかっているものがとんでもなかった。

 まばゆいばかりの金髪はブリーチしてるわけではなさそう。
 背も高そうだし、体つきもがっしりしている。外国の人かな。

 みんなが知っている曲に、ちょいちょい絶技巧なアレンジを挿れてくる。うん、腕前はなかなか。
 なにより楽しそうなのが、背中からでもわかる。
 
 私が気持ちよく聴いていると、奏者がキョロキョロしだした。
 体をねじったので、真後ろにいた私とバッチリ目が合う。
< 2 / 224 >

この作品をシェア

pagetop