癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
ファイアウォール城

風の国での一件から、1週間が経った。

火の国と風の国はあれから改めて平和条約を結び直した。



ロエルとソフィアは庭園にいた。花を見ながらゆっくりと歩く二人。

「ソフィア。」

「なに?ロエル。」

「婚約の話なんだが…。」

そっか…もう私の力は狙われることがないから、婚約解消の話ね。

と、ソフィアは思った。分かっていたことだが、とても悲しくなってきた。私は受け止めきれるだろうか?そう考えていると、

「俺はソフィアと結婚したい。このまま話を進めてもいいだろうか?」

と、ロエルから予想外の言葉が出た。

「えっ?婚約解…。」

ソフィアは、婚約解消の話じゃなかったの?と、最後までいう間もなく、ロエルにギュッと抱きしめられた。

「ロエル?」

「ソフィア…どうしたら君は俺を好きになってくれるんだ?」

ロエルはそう言うと、さらにきつくソフィアを抱きしめた。

「ロエル、く、苦しい…。」

「すっ、すまないっ!」

ロエルは慌ててソフィアから身体を離して謝った。

「さっきの質問の答えなんだけど…私、もうロエルのことが大好きよ。」

「え?本当に?婚約解消って言いかけたんじゃ?」

ロエルは信じられないと言う様子で確認した。

「婚約解消したくないって思ったの。私もロエルが好き。」

ソフィアはにっこり微笑んだ。ロエルも優しく微笑むと、

「愛してる、ソフィア。」

と言って再びソフィアの身体を抱き寄せた。

「私も…。」

見つめ合う瞳と瞳がぶつかり、ソフィアは恥ずかしくなり目を伏せた。すると、ロエルの唇がソフィアの唇に優しくそっと重なった。ソフィアはびっくりしたが、この初めての温かく柔らかい感触に唇を預けた。

そういえばアンが目を瞑るのがOKの合図って言ってたような…。
ソフィアはそんな事を思い出していた。
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