癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
「では、今すぐ参りましょう!すぐそこに馬車を待たせてあるの。」

「ええ!?」

「善は急げですわ!さ、参りましょう!」

ソフィアはダイアナに手首を掴まれ、強引に馬車のある方へ連れて行かれた。

立派な馬車の前に連れて行かれると、

「さ、遠慮なさらずにお乗りになって!」

とせかし、ダイアナはソフィアの背中を押し、強引に馬車に乗せた。ダイアナもソフィアの後からすぐに乗り込むと、ウォルター家の警護の者にバタンと扉を閉められた。

警護の者が御者の隣に座ると同時に馬車が動き出した。

ソフィアは訳の分からないまま話が進み、不安になったが、同時にやっと家に帰れるという安堵感も得ていた。

「ソフィア様のお屋敷はどちらかしら?」

「あ、私は森の中に家があるので、森の入口で降ろしていただければ大丈夫です。」

「そうなの?森の中に住んでらっしゃるの?」

「ええ、まぁ。」

ダイアナは、振り返り小窓から御者に行き先を伝えるとまたソフィアの向かい側に座った。

「森の中は危ないのではなくて?」

「私は慣れているので大丈夫です。」

「私も今度お邪魔してもよろしいかしら?ソフィア様とはいいお友達になれそうだわ。」

「そんな、ダイアナ様をお招きできるような所ではないので。」

「そう、残念だわ。でも、お友達にはなってくださる?」

「喜んで。」

「まぁ嬉しい!」

それから、またあれやこれやとダイアナから質問をされ続けているうちに、森の入口で馬車が停まった。





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