癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
ザンッ バシュッ

「イタタタタッ!」

「うわぁっ!!」

男達の叫び声がして、そっと目を開けると、ソフィアの前には見慣れた後ろ姿が。

竜の腕を出したニックが、ソフィアの前に立っていた。

男達3人とも、ニックに腕を切りつけられ、もう片方の手で傷口を押さえて座り込んでいた。

「お前達、誰に頼まれた?」

「きっ、貴族だよ。」

「誰に頼まれたのかと聞いている!」

と、ニックは強い口調で竜の手をチラつかせながら、詰め寄った。

「ほっ、本当に知らないんだよ!」

男達は竜の腕に怯えながら答える。

「俺達はただ、城から立派な馬車が出てくるから、その馬車から降りてくる金髪の女を殺せって言われただけなんだよ!本当だ!」

「そうか。」

ニックはそう言って、一人ずつ首の横に手刀打ちを入れていくと、男達は次々と気を失いその場に倒れ込んだ。

「半日は目を覚まさないだろう。後で騎士達に引き取りに来てもらう。さ、ソフィア、家に行くんだろ?」

「え?お城に戻らなくていいの?」

「家に寄ってから城に戻ればいい。」

「ニック…。ありがとう。」

ニックは座り込んでいるソフィアに人の手のままの方の手を差し出した。ソフィアが手を重ねるとニックはソフィアの手を握りグイッと引っ張り上げ、ソフィアを立ち上がらせた。

「怪我はないか?」

「大丈夫。」

「何もされてないか?」

「ええ、ニックが来てくれたから。」

そう言うと、ニックは優しく微笑んでから、ソフィアの手をそっと離し、家の方へ歩き出した。
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