癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
アルバートが読み終わると途端に、また大臣達がざわめき始めた。

「開戦?」
「女一人に?」
「馬鹿馬鹿しい。」

そこへ、ロエル陛下が言い放った。

「ソフィアは渡さない。」


「ロズウェル王、冷静に!」

「女一人で開戦は免れますぞ。」

「それに祖父もいるらしいではありませんか。本人が行くことを望むかもしれませんぞ。」

「いくら陛下が4国最強でも国民を巻き込んではなりません。」

「戦争は断じてなりません!」

ロエルは握り拳でテーブルをドンと叩いた。

「女一人守れずに国が守れるか!」

「陛下がいくらお強くても、戦争をすれば民から犠牲が出ます。」

「引き渡しに応じましょう。」

こぞって大臣達は、ロエルの説得を始めた。
するとロエルは再び握り拳でドンとテーブルを叩いた。

「もうよい!とにかく、引き渡しには応じない!この話もソフィアの耳に入れることを禁じる!よいな!」

ロエルは、そう言うと、立ち上がり、マントを翻し、部屋を出て行った。

「陛下には困りましたな。」

「若すぎるのでしょう。」

「もう勝手にソフィア嬢を引き渡してしまいましょう!」

「そんなことをすれば、ウォルター大臣の二の舞になりますよ。」

いつまで経っても終わらなさそうな愚痴にアルバートが、口を挟んだ。

「皆様、今日はご足労いただきありがとうございました。書簡の返事はこちらで手配致します。それと、本日の夜、ソフィア様のお披露目を執り行います、ぜひご列席くださいませ。」

それを聞いた大臣達は、渋々部屋を後にした。
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