【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
最後まで発音する前に、腕を引かれて倒れ込んでしまった。
以前された時と同じように引き込まれて、遼雅さんの軽く開かれた両足に跨るように座らされてしまう。
フレアスカートの裾が持ち上がって、反射のように両手で押さえた。片手に持っていたお盆が、音を立てて地面に転がる。
「柚葉さん」
「お仕事ちゅ、う」
指先が背骨のラインをなぞる。途中で下着に引っかかって、解くように引っ掻かれては抗議の手で腕を掴む。
「せんむ……っ」
「役職で呼ばれると、悪いことをしている感じがしますね」
「っわるいこと、してま、す」
「あはは、だってかわいい奥さんが、せっかく来てくれたのに」
熱心にホックで遊んでいた指が急にうなじに回って、コントロールされた力で、遼雅さんの顔に引き寄せられる。
「せん、」
すこし強引な口づけだったような気がした。
声を聞かずに遮って、蹂躙するように舌を潜り込まされる。
誰かが来る可能性もある。
冷静になりたいのに、太ももを片手で撫でられたら思考が飛び散った。
「せ、」
「名前で呼んでほしい」
呼んだら、私の中のスイッチも家のものになってしまうことがわかっているのだろうか。
気づいているのに、抗えずに解放された唇が開く。