【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
「嫉妬、しますか」

「とても。……柚葉さんが、可愛すぎるので」


言われれば言われるだけ恥ずかしくて、頬が赤くなってしまうことを知っているのだろう。伺い見るような瞳に胸が苦しくなって、頬に添えていた手で遼雅さんの両眼を隠した。

それさえもたのしいみたいに、遼雅さんはずっと笑ってくれている。


「柚葉さん」

「はい」

「契約違反は、俺が先です」

「うん?」


目隠しした手を簡単にはがされて、両手を繋がれたまま、遼雅さんのまっすぐな瞳を見つめ続けている。


「三回目のデートで」

「……はい」

「ただハグして眠ってほしいって意味だと知っていたのに、勝手に手を出して、結婚まで追い込みました」


絶句してしまった。

清々しく笑っている人が、勝手にちゅう、と唇に吸い付いて、名前を呼んでくる。

頭がうまく回らなくて、ただ、呆然としてしまっていた。意図をはき違えられていたのだとばかり思っていたけれど、遼雅さんがそんな大きなミスを犯すはずもない。


「……私のこと、好きだったんですか」


なぜか、おそるおそる問いかけてしまっていた。もう、どれだけ大切にしてくれているのかはよくわかっている。
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